2020/05/31 19:15
皆様いかがお過ごしでしょうか、新型コロナウイルスによる劇場の自主的な閉鎖ラッシュの直前に前回公演をしれっとやった我々劇団21世紀枠ですが、どういう縁か緊急事態宣言が全面解除されてからすぐと言ってもいいようなタイミングで公演をすることとなりました(毎年恒例の公演なので新型コロナウイルス流行前から会場は予約していた)
客観的に稽古スケジュールや公演の宣伝の事を考えると、商業的な理由で公演を取りやめるのがベストな状態です。現にほとんどの劇団はこのタイミングで公演を打たないもしくは打てないのが現状だと推察します。
で、劇団21世紀枠という吹けば飛ぶような小集団が、この毎年恒例の絵画展×演劇公演の企画をどうするか、ということを考えた時にそりゃしないに越したことないですよ。
公演時期に疫病の流行状況がどうなっているかわからない以上、そもそも公演自体ができず、投資を一切回収できない公算はそれなり以上にあるわけですから。
ただ、「公演」という字にはどういうわけか「公」という字が入ってまして、この辺のポリシーについては詳しい人が熱く語ってくれていると思うのでいちいちここには書きませんが、世に向けて作品を発表する以上、社会的責任が伴うわけです。
んで、この社会的責任は当然ですが公演を専ら行う劇団にもあります(我々は社会から隔絶した存在ではありません)
じゃあ、いくばくか「公」の存在である我々はですね、時には「何がしたいか」ではなく「何をしなければならないか」で動く必要もあるわけです。
と、ここまで生真面目風に書きましたが。劇団21世紀枠という神戸に存在する極小劇団が考える、しなければならない義務は以下の通りです。
・現在の潮流である「新型コロナウイルス」と「配信演劇」と「無観客試合」について、きちんと再考すること。
具体的には
「新型コロナウイルス」については、現時点での客観的な知見に基づいて過不足のない対応の仕方を考えること。
ようは、きちんと感染リスクを避けた公演を実行するということです。闇雲に公演中止をするのも、むりやり強行することも、社会にとっていいことではありません(まあ結果、討ち死にする可能性はありますが。その時は屍を超えていってください)
「配信演劇」について、web配信等で演劇公演を行うのがひとまず流行っています、演劇は生でなければだめだ!とも思いませんし、商業的にはweb配信で集金できるならその方が良いと基本的に思いますが、現時点では表現手法としてweb配信で演劇公演を行うことに個人的な疑義があります。
疑義と言っても簡単なもので、webを利用するなら演劇という手法を採用せずに従来からある「映像作品」「ラジオ作品」の手法を採用すれば済む話、という内容です。
いちいち「演劇をweb配信」なんていわずに、新作の映像作品を配信します!ていうほうがよほどスマートでしょう。
まあこの辺はほっといても勝手に皆さん議論して勝手に発展していくと思うので、適当にくさすのが今回の目的ですかね。
あ、一応きちんときれいな言葉にしておくと「今回の災禍を機に、対面で生きた人間が行うという制約の多い不便な表現手法についてきちんと再評価しよう」てことです。
「無観客試合」について、なんかスポーツとの対比で荒れていたので一応これも揶揄する対象としました。
これについては根本的な部分でボタンのかけ違いがあるような気がしますが、劇団21世紀枠は助成金の為に「芸術活動」やっていると言うことはありますが、根本的なスタンスとして演劇という技法を用いた「表現活動」を行う団体です。
表現は、何かしらを他者へ伝えるための営みですので、当然相手が不在では成り立ちません(自分に向けてどうとか、はここでは置いておきます)
ので、原理的に「無観客公演」なんて言うのはあり得ないんですが。まあそういう視点で、ちょっと揶揄してみようと思います。
と、こんな感じで今回の劇団21世紀枠は(社会の誰が必要としているかは分かりませんが)公的、社会的な存在としての責務(というか説明義務?)を果たすべく、下のようなふざけた内容の”脱法公演”を企画しました!
観客のいない演劇会「リングワンダリング2020」
※ただし、深刻なキャスト不足の為、毎公演10名の”観客役”の出演者を有償で(ただしお金を出すのは出演者側)募集します!
※現時点で出ている指針では公演主体である”役者”は人数制限などが出ていません(そもそも定義不可でしょう)ので、観客を役者にしてしまえば客席数の制限は気にしなくていいわけです(もちろん今公演は感染対策も主題にしているので、基本的に各種指針に出ている制限人数を遵守します)
7/1(水)19:00
7/2(木)19:00
7/3(金)19:00
7/4(土)13:00 15:00
7/5(日)15:00
会場:ギャラリー北野坂(神戸市三宮)