2019/06/19 01:58
どーも、劇団21世紀枠です。
毎年恒例の公演前にネタバレしちゃう奴です。見たくない方は早めのブラウザバックをお願いします。
今日のネタバレは「僕の犯罪手帳」でいきましょう。
デデンッと写真を挿入! 出演するのは下の写真の雪城雨(左)と芽里の大輔(右)のお二人です!
この記事はあと3分くらいで読み終わります(適当)
目次
・前書き
・こんな人におすすめ
・本編の見どころ
前書き
リングワンダリングシリーズでは毎年、ちょっとやばいかな?的な内容を伴った作品を一作やるのが通例になっているわけですが、今年のその枠がこの「僕の犯罪手帳」です。まあ、名前の時点でちょっとあれですよね。
自衛的な言い訳
作中で言及されている死体の処理方法については、いままで様々な媒体(映画、小説、ニュース)で万人向けに発信されてきている内容であり特別な新規性は認められないものです。
また、戦争映画が戦争を賛美、推奨するものでないのと同様にこの作品も殺人や犯罪を賛美、推奨するものではありません。
こんな人におすすめ
・昨今の動機不詳の殺人事件の報道を見て、自分も殺人を犯すのではないかと不安な人
・昨今の動機不詳の殺人事件について、通常の殺人事件と比較して不安を多く感じている人
・障害を乗り越えて勝利をもぎ取る王道物語が好きな人
・本編の見どころ
見どころ1
小規模カルト教団の教祖を父に持ってしまった主人公小田が妹の彼氏を殺したい同級生に対し
どうやって死体を処理すればばれないか熱弁している場面。
彼の死体処理に関する言葉の数々は思春期特有の万能感から生ずる妄言である一方で実行自体は可能であり
何かの拍子に実行に移されてしまうのではないかという危うさがあります。
結局のところ、人間は人間を殺す力を持って生まれてくるし、車一台あれば多くを殺しうる現実があるわけで
じゃあなんで殺さないのか、という婉曲な問いかけの場面としても機能しています。
見どころ2
主人公が公園で説教親父に捕まって、世間一般についてかくあるべしというお話を聞かされる場面。
おじさんのあまりにステレオタイプで薄っぺらい、正しい人生観、人として望ましい在り方論に笑いが漏れること請け合いの良場面です。
おっさんの付きまとい行為に対する恐怖のあまり逃げ出す主人公も笑いを誘います。
見どころ3
ひったくりに襲われて、犯罪手帳を奪われないために必死で抵抗し戦う場面。
劇団21世紀枠お得意の過剰にぞれっぽい泥臭い格闘シーンです。それなりの体重を持った男性同士が素人臭丸出しでストイックさもカッコよさもかけらもなく戦う場面はまさに素人プロレス、あまりの惨状に息をのむこと間違いなしです。
冒頭の「じゃあなんで殺さないのか」という問いかけに対して「戦うべき時に戦えない弱い人間だからだ」という主人公なりの答えを出す
ための過程となる場面でもあります。
総論
本来、劇の冒頭の問いかけであるなぜ人を殺せないのかに対して明確かつズバッと素晴らしい答えを出すべきところを観客それぞれにゆだねているのはあまりスマートではないと思いますが
そもそも「どうして自分は人を殺さないのか」という問いに対する答えはどう考えても絶対的に個人的なものです。
人を殺した後の社会的制裁が怖いからとか面倒だからとか、生命そのもののもつ温かさを骨身に染みて知ってるからとかいろんな理由があるでしょうし、そこから社会的に望ましい答えをピックアップして発表すれば世間的な好評を得られるのかもしれませんがそんな押し付けの思想に価値なんてないでしょう。
そんな押し付けの価値観で自分を律している限り、殺人者予備軍から抜け出すことはできないからです。
作中の主人公が劇の最後でしたように、自分のことは自分でけりをつけるしかないのです。
と、いろいろ書きましたがここに書いてあることが本当かどうか確かめるチャンスがまだ残っています(2019/6/19現在)
どうか皆様、劇場まで足をお運びいただき、実際に観劇くださるよう、劇団員一同お願い申し上げます。
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