2018/06/30 00:08

短編紹介もついに最後になりました!

・最初にジャンル、どんな人が好きそうか、ざっくばらんなコンセプト説明を行います。
・作品評価については完全主観、筆者の椋原メトロの好みに乗っ取って一方的に断言します。
というルールを適応しつつ忖度しながら作文していきます。

まずは出演者の写真をドーンと差し込みつつ、今日の作品は「リングワンダランニング」!


ジャンル:しょーもないコント/ぐだぐだ系/ずっと走ってる

どんな人が好きそうか:暇な人/疲れてる人/マラソン好きな人

コンセプト:ずっと走ってる人がいるエンターテイメント。エンターテイメントの極致にプロレスがあると個人的に思っているのですが
過酷な環境に置かれた肉体の持つ真実性は圧倒的で、多くの人の共感を誘います。

美しい言葉の応酬と、暴力と暴力のぶつかり合いとを比べたら大抵は後者がよりエキサイティングで人をひきつけることでしょう。
生身の肉体の持つ説得力こそ演劇の特長ですのでこれを生かさない手はありません(一方でそのグロテスクなまでの影響力ゆえに「暴力」を禁じ手にしている有名作家もいます)

この作品は走り続ける肉体=生存本能のもつエンターテイメント性を軸にしつつ、それを取り巻く現状維持志向の理性との間の肉体的闘争でなにかしらのカタルシスを得ようというコンセプトの作品です。ジャンル的には生命肯定というか、自分に素直に生きましょう、系でしょうか。


作品評価
今年で三年目のこの短編公演ですが、毎公演一作は脚本がA4で一桁ページしかない、自由度の高すぎる脚本を入れていまして
今回はこのリングワンダランニングがそれにあたります。ある日唐突に業務中のデスクから飛び出して走り出してしまったサラリーマンの頭の中が舞台です。

と言っても、出てくる四人(=理性など、頭の中の各パーツの代弁者)はてんでばらばらで、なぜ男が走り出したかなんて一切語ってくれないし
走り出した結果、なにか望ましい地点に昇華されていくわけでもなく、初めから終わりまで、四人の誰もが状況もわからないまま物語は進行してとりあえずの終わりを迎えます。

そもそもがずっと走っている男自体がその場で駆け足をするばかりでほとんど舞台上の一か所から動いていませんから、三十分の間に王道的進展を望めるわけもなく。

と、ここまで書くとろくに起承転結もなく、見ていて疲れそうな作品そのものですが、わりとそうでもなく、何となくカタルシスというか浄化が得られるような作品になっています。

理由はだいたい2つ、一つは走っている肉体(たとえその場で足踏みしているだけでも)のもつ臨場感のため、二つは彼らはさしてどこか新しい地平にたどり着くこともなく、その方角さえ分かっていないのにそれでも歩みを止めていないためでしょう。

劇的な変化などなく、昨日から続く肉体を引きずるようにして生きている我々の生活をベースにした上で、迷いながらも足を止めていないというのが「努力、友情(協力)、勝利」という黄金パターンとはまた違う意味で観ている人にとってちょうどよい具合の物語となっています。

まあ、深く考えずに一度見てみるといいかな、という作品です。


↓の四人とその他有象無象が皆様のご来場を心よりお待ちしております!


どうか! どうか! ご興味お持ちいただけましたら是非ご予約をお願いいたします!
この記事で紹介した「リングワンダランニング」は
7/13(金)開演19:00   イヌネコのたぐい/リングワンダランニング
7/14(土)開演13:00   イヌネコのたぐい/リングワンダランニング
7/14(土)開演15:00   リングワンダランニング/ながい夜
7/15(日)開演15:00   リングワンダランニング/ながい夜

の四回公演です!

ご予約はこちらからどうぞ! 個人情報漏洩が怖い方は frame21c@gmail.com に氏名(偽名でもいいです)観に来る回、枚数をご記入の上メールください!

皆様のご来場お待ちしてます!