2018/06/07 18:35
今年で三年目になる短編公演リングワンダリングシリーズですが
一回の公演で三つの短編のうち二つだけを上演する形式のため
どの回を観に行けばいいのか分からない! というご意見を多数(実際は少数)いただいております。
そもそも、演劇自体が初演が多くて観に行くまで面白いかどうかはおろか
どんな話か分からないのが観客層の減少を招いているという意見もよくありますし
プロモーションビデオをYoutubeにアップしたり、様々な試みをしている諸先輩方&後輩方がいるわけですが
幸いうちの劇団は毎公演パンフレットに作品のネタバレを載せる伝統があるのでひとまずはそのネタバレに
画像を加えたものをアップして、作品紹介をしてみようという試みです。
とここまで読んで、みなさんこう思っているでしょう
「結局は宣伝のための文章で、いいとこしか書かまい」
「自己満足の紹介文だろう」
ま、その通りなんですが、どの回を観にいくのかの指標位にはなって欲しいので
・最初にジャンル、どんな人が好きそうか、ざっくばらんなコンセプト説明を行います。
・作品評価については完全主観、筆者の椋原メトロの好みに乗っ取って一方的に断言します。
というルールを適応しつつ忖度しながら作文していきます。
まずは出演者の写真をドーンと差し込みつつ、始めて行きます。
ジャンル:回想系/二人の関係性を追うタイプの芝居/暗い/考えさせる系?
どんな人が好きそうか:サブカル女子/共感してほしいタイプの人/芝居を見ながら自分の中で考えるタイプの人/男性(女子が出るので)
コンセプト:前回公演に引き続き、他者の死をどのように乗り越えるのかのシミュレーションが基礎、今回は生きづらい女子(以降、太宰女子と表記)同士が共依存関係にあったが、片方が自死をしたというシチュエーション、自殺した友人が検死をされてから火葬されるまでの間に取り残された方が死者の生前の発言などを思い出し、どうして死んだのかを納得しようとしている。
が、結局はいくら思い出そうと、いくら考えようと死は覆らず、そして本当の理由など知る由もない。
残るのは死んで欲しくなかったという自分勝手な思いのみ。
故に、取り残された太宰女子は回想の中で死んだ太宰女子を組み伏せ、殴って自分の身勝手な思い=生きてほしいという願望を叩きつける。
思いを吐き出すだけ吐き出して、目の前の動かなくなった友人を抱きしめた時、ようやく残されたものは死を受け入れる始めの一歩を踏み出した。という筋書き。
作品評価
というわけで、コンセプト部分に大体話のすべてがでているわけですが、まず脚本に対する評価、この「死を受け入れる」系戯曲はともすれば、よくわからない美しい言葉の羅列や「どうして死んじゃったんだ」と連呼してお涙頂戴パターンに陥りがちですが、この脚本はその部分を生きてる者のわがままに過ぎないというシニカルな態度を組み込むことで客観化しようと試みてはいる、という感じ。
が、結局はその「生きてる者のわがまま」であることを強調するためのギミックが暴力によるキャットファイトだけであるところ、また語るに落ちるを恐れて言葉による説明を避けているせいで視点がぶれている、結局主張が「死なせたいやつは死なせとけ」なのか「死んで欲しくない」なのかが分からない。いや、わからない=両方の感情があるということを示そうとしているのかもしれないが、そういう観るものにゆだねる系の作品は表現として弱い、断言のない表現では人を惑わすことはできても、人を動かすことはできない、そういう根本的な欠陥をどう工夫して克服するか、委ねつつも力強い主張にしていくか、そこの工夫が不足している。
は、さておき、全編の三割近くがただの女子トークと百合っぽいじゃれ付き合い、二割弱がキャットファイト、五割が憂鬱だった人生の回想という構成で百合ものが好きな人にはお勧めです。あとはキャットファイト好きな人にも。仕上がり次第では、最近悲しいことがあった人が踏ん切りをつける手助け位にはなるかもしれない。他人の死を悲しむ感情は自己満足に過ぎない、だからこそ無責任に好きなだけ悲しんでいいんだ、という具合に。そういう境遇の人がお芝居を見に来れるのかはさておいといて。
↓の二人とその他有象無象が皆様のご来場を心よりお待ちしております!
どうか! どうか! ご興味お持ちいただけましたら是非ご予約をお願いいたします!
この記事で紹介した「ながい夜」は
7/11(水)開演19:00 イヌネコのたぐい/ながい夜
7/12(木)開演19:00 イヌネコのたぐい/ながい夜
7/14(土)開演15:00 リングワンダランニング/ながい夜
7/15(日)開演15:00 リングワンダランニングながい/夜
の四回公演です!
ご予約はこちらからどうぞ! 個人情報漏洩が怖い方は frame21c@gmail.com に氏名(偽名でもいいです)観に来る回、枚数をご記入の上メールください!
皆様のご来場お待ちしてます!